当社では、服飾カタログの印刷をよく任されております。服飾カタログの大変なところは、まず色調を商品に忠実に合わせることを要求されます。また、モデルさんの繊細な肌の色を表現しなければいけません。加えて、服のシワを消したり袖・裾・丈を調整するような画像処理もします。

商品サンプルの搬入

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春物のカタログ作成の季節が来ました。商品サンプルとして、実物の服が運び込まれてきます。ハンガーにぶら下がったままワゴン車で運ばれてくるものを、荷物用のエレベーターで3階のデータ室まで運び込みます。

画像の前準備

お客様からの指示で色調以外の修正作業を行います。良くあるのは画像データ上のモデルさんが着ている服のしわを消すことです。袖、裾、丈などを延ばしたり短くしたりします。あとは色調補正の為のマスク作業。マスク作業とは補正する必要なところ以外を保護する為の作業です。基本は上着、シャツ等のパーツごとに切り分けをします。さらには柄ごとの切り分けが必要な場合もあります。どちらの作業も商品の状態、画像の状態、お客様からの指示によっては相当時間がかかりますので、全体の作業のなかでもひとつの山場です。

画像の色調補正

 

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チーフのオペレーターと、サブのオペレーターである私が行います。昨年からサブの私がメインとなって作業し、チーフはあがりの確認をするだけで済むことをめざしています。このお客様の仕事の始まった当初は、服飾もさることながら、肌の色をきれいに出すことに試行錯誤しました。お客様は、すっきりとした白い肌がお好みのようです。

色調補正の実際

色というのはさまざまで、ほんの少し数値を動かしただけで相当見え方が変わってしまうものがある一方で、かなり動かしても変わり映えのしない物もあります。紙の印刷では再現が不可能という色もあります(蛍光色など)。そういう物もできるだけ見本に近づけるように調整します。

内校

画面で確認してからデジコンを出力します。(内校)以前は、チーフがこの段階で確認していましたが、今では私が自分で責任を持って最終段階にもっていけるように務めています。色の確認は専用の色見台でデジコンと実物を比較する。

本機校正

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色校正は、本番で使用する印刷機にかけます。内校で出力したデジコンを色見本にして刷ります。デジコンは、標準で印刷したシートに色が合うように調整してありますが、私も印刷に立ち会い、詳細を詰めていきます。

色修正

お客様に校正をチェックしてもらって、あちこちと色修正の指示の入った校正が戻ってきます。
修正後、再度デジコンをお客様に修正箇所の確認してもらいます。

印刷

本番の印刷でお客様も色出しに立ち会う。蛍光灯によって色が違って見えるので、判断するのに工場の外に原稿と刷り出しの紙を持っていき、太陽の光の下で比べながら確認されます。